FRUiTSの月刊発行の終了から、シトウレイさんと山口壮大さんの「ストリートで核となる子がいなくなったよね」という2011年の対談を思い出した
高校生の頃、FRUiTSってファッション雑誌が大好きでした!
暴走族が週末になると普通に暴走していた当時の広島市には、ヴィヴィアン・ウエストウッドの服を売っているお店もなく、その頃流行っていたbeauty:beastやNemethのジーンズなんかがかろうじてセレクトショップに売ってるか、売ってないかみたいな感じで。
なんで、FRUiTSが切り取る原宿とかの雰囲気とか、ご近所物語的なファッションとかがほんとにキラキラしてて憧れだったんです。
そんな、僕の青春時代にめっちゃ影響を与えたFRUiTSが月刊発行をやめるそうです・・・。
Fashionsnap.comによると発行終了の最大の理由は「オシャレな子が撮れなくなったこと」から。(不定期では刊行)
同誌が約20年間の歴史に終止符を打った理由とは。
「フルーツ」は、233号の誌面で雑誌としての発行を終了することを発表。レンズの代表で同誌の創刊編集長を務める青木正一氏は、月刊誌廃止の最大の理由に「オシャレな子が撮れなくなったこと」を挙げる。
*"オシャレな子が撮れなくなった" スナップ誌「FRUiTS」が月刊発行を終了した理由より引用
この記事読んだときに思い出したのが、
2011年に雑誌「装苑」でSTYLE from TOKYOのシトウレイさんと、ファッションディレクターの山口壮大さんの対談。
(2011年当時の)ファッションや原宿について語るって対談で、超絶要約すると「横のつながりが増えた結果、ストリートで核となる子がいなくなったよね」って話なんですけど、この流れの1つの結末なんだろうなぁと。
んでんで、この流れってファッションだけに限った話ではなく、ほかの業界もそうだと思うから、対談の内容をメモしてたものを掘り返してみました。
なんでストリートで核となる子がいなくなったのか?
自分たちの時代はファッションの世界で何者かになるという意気込みがあったけど、今の若い世代にはそれがあまり感じられない。
キーワードは「横のつながりが増えてる」
自分が何者かになるという期待感や達成感が今は手軽に手に入るようになった。
今は誰でも前に出れるようになっちゃった。
自分たちでメディアを持つようになったことも大きい。
自分たちと同じ年代の子がカメラマンになってスナップするサイトがあるので、頑張らない普通の格好でもメディアに載れちゃう。友だちがやっているから、メディアや雑誌に載るのが難しくなくなった。
・その結果どうなっているか?
『選ばれたい』という気持ちも生まれないし、『永久保存しとこう』みたいな気持ちがフックになることがなくなった気がする。
それは本来の意味で達成感じゃないと思う。
横のつながりばかり増えるとみんなが平均的にオシャレになっていくけど、誰かが頭一つ抜けるということがない。その人に刺激を受けて上に上がるということにもならない。
世界のコレクションをチェックする人も少なくなった。
『服ログ』のように自分のコーディネートを写真にとって投稿するサイトがすごく人気で、おしゃれの参考がより身近になってきている気がする。例えば、雑誌に出たソウタ君を見て服装をまねして『おしまい』になっちゃう。ソウタ君の背後にある世界まで追求しようとしないんだろうなぁ、と思う。でも、友達の輪の中でとどまっている自分たちに不満を感じてない見たい。
昔は原宿に圧倒的な非日常を求めていたけど、今の原宿はリアルになりすぎてて、その中で『浮きたくないけど、ちょっと浮きたい』という気持ちの表われが日常の中の非日常感。
以上です。
これ、2011年の対談でもう約6年前だけど今でもじゅうぶん当てはまる話ですよね。
そして、横のつながりのくだりって、ほかの業界にも当てはまる話。
悲観的に思うとかじゃなくて、こういう流れがあることを改めて認識しとかないとなぁと思った。
でも、やっぱりFRUiTSが毎月刊行やめるのは残念だなぁ。